ABOUT

 Beloved color m|ブランドストーリー


まだ言葉にならない想いが、心の奥でひっそりと揺れていることがあります。
嬉しいでも悲しいでもなく、誰かに説明できるわけでもない。
けれどたしかに“わたし”を形づくっている感情。

その感情には、色があります。
春の光のようにあたたかくて、すぐに消えてしまいそうな色。
雨上がりの空気みたいに澄んでいて、でも少し切ない色。
その色はいつも、記憶になる一歩手前にあります。

Beloved color m は、そんな“愛しい色”をそっと閉じ込めたアクセサリー。
一滴の水彩が紙の上ににじむように、
あなただけの感情が、色として現れます。

好きな一点を見つけることは、
あなたの内側にある、静かな声に耳をすますこと。
「これが好き」と思える、その小さなときめきが、
あなた自身の変化や感覚に気づく扉になります。

日々の中で曖昧になってしまいがちな「自分らしさ」
それをもう一度感じられるような、
感覚が研ぎ澄まされる時間を届けられたらと思っています。

色が、記憶になる前に
あなたの中の柔らかな色に、触れて
まだ言葉にならない気持ちを、纏って。

Beloved color mは、
ふと惹かれた色を通して、
まだ知らなかった自分と出会うためのアクセサリーです。

 

|素材との対話

美術大学で学んでいた頃から、私はずっと「素材の声」を聞くことに夢中でした。
卒業制作では、天井から吊るした大量の氷。その氷からぽたぽたと落ちる雫が、静かに空間を染めていく——
そんな作品をつくるために、何度も氷を作り直し、墨汁の分量を変えて、試行錯誤を重ねました。


光で空間をつくる課題でも、納得のいくまで装置や形を何度も修正して。

きっとその頃から、“手を動かしながら、素材と対話して、本当に伝えたい表現にたどり着く”というプロセスが、私の根っこにあったんだと思います。

いま、アクセサリーという小さなかたちを借りて、私はまた、色とアクリルという存在に向き合っています。

地道な研究から生まれた水彩アクセサリーは、私自身の技法で生み出したもの。
同じような表現が増えた今でも、このスタイルを最初にかたちにしたのは、他でもない私自身です。

色には、言葉にならない想いをそっと閉じ込める力がある。
そう信じて、今日もひとつ、またひとつ、
“愛しい色”を形にしています。

 

 

ハンドメイドの枠を超えて、ブランドになります。

これまで、すべてのアクセサリーをひとりで制作し、発送まで行ってきました。
色を選び、にじみを生かして描き、ひとつずつ丁寧に仕上げてきました。

ですが、有難いことにこの1〜2年でご注文が大きく増え、
完売が続く中でお届けできない状況も多くなってきました。
また、まだまだやりたいことがたくさんある中で、制作だけに追われる日々に限界を感じるようにもなりました。

そんな想いから、信頼できる制作スタッフと共に作品づくりを進める体制に切り替えました。
私が描いた原画をもとに、色のにじみやタッチ、空気感を大切にしながら、
感覚を共有した職人たちが手作業で仕上げています。
展示会などでmのお客様と接してきた、mを深く理解しているスタッフです。

「あなたは、あなただけにしかできないことに時間を使うべき」と、
今では心強い言葉をかけてくれる大切なチームです。

現在、委託店舗の商品やオンラインショップの定番商品の一部は、
私以外のスタッフが制作を担当することがあります。
クオリティはこれまで通り、責任を持ってお届けしていきますので、どうぞご安心ください。

これからは新作や企画にもより多くの時間を注ぎ、
皆さまの心に残るものづくりを続けていきます。

ひとりで始めたハンドメイドが、多くの方の支えで少しずつ育ってきました。
この成長の過程も、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。